音楽が好きで楽器演奏がしたい、という声をよく聞きます。なかでもバイオリンやチェロなどの弦楽器の人気が高いようです。でも、これらの弦楽器演奏は難しい、という印象があります。でも、音楽は難しさを考えるよりハーモニーを味わったり、音楽表現を考える方が楽しみが増えてきます。
とはいっても弦楽器はそれ相応に難しいので、初級のうちは個人でしっかりと基礎を身に付けるのがよいでしょう。それからある程度自信がついたらアンサンブルに挑戦です。ほんの少しは余裕ができないと楽しくないですからね。
世の中を見渡すと週末には楽器ケースを抱えた人の姿を多く見ます。心なしかバイオリン、チェロを多く見かける気がします。そうです。週末は市民オケや室内楽にいそしむ人たちが心も軽く出かけていくのです。日本は世界でも有数のアマチュア楽団王国なのですから。
チェロは仲間が増えて現在4名に♪
奏でる音に厚みが加わり、演奏も一段と本格的になっている
市民オケのプログラムを見ると、ベートーヴェン、ブラームス、チャイコフスキーといったクラシックの名曲が並んでいます。いつかは弾いてみたい曲です。憧れます。しかし、こうした曲はアマチュア向けに書かれてはいないのです。とても難しいのです。作曲家が命をかけて書いているのです。
アマチュア・オーケストラではこうした曲を毎週毎週、半年もかけて練習します。それだけ練習しても消化不良の部分は必ず残ります。そのため市民オケに入ることをためらう人もいるくらいです。
何かよい解決方法はないでしょうか。自分の身の丈に合い、かといって音楽的につまらないものではなく、うまくなることが実感できるようなサークル。そんな都合のよいものはありませんね。
若者やファミリーで賑わう東京・町田。JRと小田急線が交差する交通の要衝で、活気ある町並みです。その駅からすぐそばに位置するスガナミミュージックサロン町田はビルの3階フロアを占める絶好のロケーションです。
そこで開設されている「弦楽器アンサンブル」はそんな都合のよい願いを叶えてくれるコースです。日曜の午後、家族に邪魔されない自分だけの時間を弦楽器演奏で楽しむ姿をレポートします。
この日は約1か月後に控えた発表会に向けての練習でした。約9か月おきにあるという発表会は練習の励みになるし、レパートリーも増えていくと好評のようです。今回の曲目は6曲。聞き覚えのある名曲が並んでいます。
最初は喜歌劇「こうもり」序曲。ヨハン・シュトラウスの傑作です。音楽の楽しさがストレートに伝わってくる曲です。2曲目はヴィヴァルディのバイオリン協奏曲イ短調から第1楽章。バイオリン学習者が避けて通れない曲ですが、バロック音楽の名曲です。3曲目はちょっと毛色が変わってドヴォルザークの交響曲第8番から第3楽章。有名な「新世界」ではなく、こうした名曲を選ぶのもセンスの良さが伺われます。そして、チェロの見せ場であるサン=サーンスの「白鳥」。ピアノ伴奏の代わりにバイオリンが奏でます。そしてラフマニノフの名曲「ヴォカリーズ」。中間に憂いのある曲が並んでいますね。そして最後はベートーヴェンの交響曲第6番「田園」です。ベートーヴェンの中でも難曲とされる作品です。
バランスの取れた楽器編成の弦楽アンサンブルコース
このように曲が並ぶと一見、市民オケのプログラムと変わらないように思われます。これらの曲は「普通に」難しく、こうもりや田園などはベテラン揃いのアマチュアオケでも手こずります。そこにこのクラスの秘密があります。
選曲は先生が行っていますが、弾きやすいようにアレンジが施されています。例えば難易度が高いところは易しくしたりカットしたり、調が難しい曲では弾きやすい調性にしたり、それでいて全体が不自然にならないように随所に工夫が凝らされています。
楽器演奏を趣味にはじめる人の多くは「あこがれの曲を弾きたい」という動機があります。有名で耳になじんでいる曲をこの手で弾きたい、と思っているのです。けれどもそのような曲は難易度が高いこともしばしば。そこでこうしたアレンジがあると、あこがれの曲が手が届くところに降りてきて、俄然やる気が出てくるのです。
発表会間近になるとこのように曲数が増えてきますが、もちろん最初から詰め込んでいるわけではありません。9か月かけてゆっくりと着実に仕上げていきます。間近になると緊張感も高まってきますが、本番の独特の雰囲気と終わった後の打ち上げが何よりの楽しみ、と期待も膨らみます。
弦楽器経験はまちまちだがチームワークは抜群のメンバー
田中先生の信頼感あってこその弦楽アンサンブル
※お電話でお問合せする際は
「オケ専♪で弦楽アンサンブルを見た!」とおっしゃってください。
スガナミミュージックサロン町田 TEL:042-794-7321