メロディ譜を使ってアンサンブルの楽譜を作るミニ講座

アンサンブルを楽しもう!

スライダー

メロディ譜は、歌や楽器の主要なメロディにコードがついた楽譜のことです。メロ譜とも呼ばれています。このメロディ譜を使ってアンサンブルの楽譜を作るための考え方やコツのようなことを学ぶのがこのミニ講座の目標です。

★「メロディ譜を使ってアンサンブルの楽譜を作る本講座」も計画しています。ご興味ある方はお問合せください。

私にもできるかも。

今回の課題曲は、MISIAさんの「Everything」です。この曲を弦楽四重奏で演奏するための楽譜を作曲家の持麾勉(もつざいつとむ)さんに作って頂きました。持麾(もつざい)さんには、どんなことを考えて編曲(アレンジ)したかを聞いてみましたのでご紹介します。「私にもできるかも。」と感じて頂ければ幸いです。

持麾勉(もつざいつとむ)さんのプロフィールはこちら

まずは聴いてみませんか。

はじめに、MISIAさんの「Everything」を聴いてください。

歌詞を声に出してみるとじ~んときます。(歌詞つきの映像

そして、持麾(もつざい)さんのアレンジを聴いてください。

いかがですか。楽譜ソフトで簡易的に出力した音源なので機械的な感じは拭えないのですが、持麾(もつざい)さんのアレンジ譜を見て「Everythingの原曲のイメージを大切にしながら、弦楽でなんて美しく表現できているのだろう。」「私も演奏してみたい!」と思いました。みなさんにも是非、楽器で演奏して欲しいです。

楽譜はすぐにダウンロードできます。

メロディ譜は、オケ専♪のメロディ譜コーナーで取り扱っています。楽譜作成ソフトをご利用の方には、ミュージックXMLファイル※が付いたメロディー譜がお勧めです。メロディ譜から再入力する手間を省けるので便利です。
※:無料で使える楽譜作成ソフトMuseScoreで編集できることを確認しています。

持麾(もつざい)さんに編曲して頂いたアレンジ譜は、オケ専♪のアンサンブルの楽譜コーナーで取り扱っています。

●メロディ譜

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Everything(sampleつき)w320

 ●持麾勉(もつざいつとむ)さんのアレンジ譜

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Everything(sampleつき)w320motsuzai

● ノート

このページの「持麾(もつざい)さんに聞いてみた。」のノートが欲しい方はお知らせください。PDFファイルでお送りします。500円+税。内容は下記と同じです。

持麾(もつざい)さんに聞いてみた。

事務局:
どんなことを考えて編曲(アレンジ)したかをお聞かせ頂けますか。それと、アレンジする際の音の選び方など、私にもわかるように基本も教えてくださいネ。

持麾(もつざい)さん:
はい。それでは早速はじめましょうか。メロディ譜とアレンジ譜を見ながらお話します。

まずはCDやYoutubeなどでMISIAさんが歌う原曲を何度も聴きます。そして、自分にとってどのように聴こえるか、この作品の一番大事にしたいところはどこかを考えることから始めます。

アレンジには様々なスタイルがありますが、今回はMISIAさんの歌っているメロディーを大事にしたいと思い、アレンジは「原曲を生かす」スタイルにしました。

つぎにメロディ譜をじっくり見ます。今回のお題は「弦楽四重奏にアレンジ」ですので、音域はどうか、調性を見て演奏しやすそうかを確認します。

メロディ譜を見る(サンプル)

原曲は変二長調( Original key=Db )ですが、メロディ譜ではハ長調です。ハ長調でしたら弦楽四重奏は演奏しやすそうです。

歌の音域もメロディ譜では、下は「ソ」から上は「ミ」ですの問題なさそうです。

それと「MISIAさんの歌を生かして(大事にして)、他は必要に応じて整理してもかまわない。」そのくらいの気持ちでメロディ譜を見て、複雑なコードを単純化したり、16分音符がつづくところを一部簡略化するなどして演奏のしやさも考えます。

弦楽四重奏は、ファーストバイオリン、セカンドバイオリン、ビオラ、チェロの4人がアンサンブルをするわけですが、それぞれの楽器/パートの役割を踏まえながら、それぞれの出番があるアレンジを心掛けました。アレンジ譜をご覧頂くとわかりますが、

メロディのパートが「Vn1→Vla→Vn2→Vn1(さび)→間奏→Vc→Vn1」

のようになっています。各楽器/パートの出番をつくることと、演奏の盛り上がりをさびにもっていくために、アレンジではVlaはメロ譜のMISIAさんの歌と同じ高さにして、Vn2は歌より1オクターブあげています。そしてさびでVn1にわたす形にしました。

アレンジ楽譜を見る(サンプル)

もう少し細かくお話します。

メロディ譜を見ながら、CDやYoutubeで原曲を聴いてみてください。

原曲では前奏は厚みがありますが、MISIAさんが歌い始めてからしばらくは伴奏は厚みが減りMISIAさんの歌にフォーカスされます。それから歌の主要の部分(歌の繰り返しがある箇所)では伴奏がまた厚くなっています。

これをメロディ譜と照らし合わせると、メロディ譜の1小節目から6小節目までの前奏は原曲では厚みがあり、メロディ譜の7小節目から(MISIAさんが歌いはじめるところ)14小節目までは原曲では伴奏は厚みを減らしています。そしてメロディ譜の15小節目からの主要の部分(歌の繰り返しがある箇所)は原曲では伴奏が厚くなっています。

この感じを弦楽四重奏でも表現したくてつぎのようにしました。また弦楽四重奏ならではの表現も工夫した箇所です。アレンジ譜をご覧ください。

7小節目からは厚みを減らした伴奏の感じをだすために、チェロは高めの音を選んでいます。そして15小節目からは厚みをもたせた伴奏の感じをだすために、チェロは低い音を使っています。

7小節目からのメロディーはファーストバイオリンが1オクターブあげて奏でています。チェロはあえて休ませて9小節目の途中から出てくるようにしました。厚みの少ない伴奏に対してメロディーの注目度を高めて心地よい驚きをつくりたくてこのようにしました。

そして15小節目からのメロディーは、メロディ譜と同じ高さをビオラで奏でています。

さらに詳しく15小節目を見てみましょう。

図1w320

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15小節目からはビオラがメロディをとっています。ファーストバイオリンがビオラのメロディの上にかぶさっていますが、メロディを邪魔しないように(メロディを生かすために)、動きはおさえています。

それと、ビオラの「レドド」に対して、ファーストバイオリンはビオラを伸ばした形で「レドド」としています。これは動機(モチーフ)の模倣で、ヘテロフォニーのような重ね方をしました。ヘテロフォニーについては調べてみてください。アレンジの幅が広がると思います。17小節目でも同じように重ねました。

ファーストバイオリンはこのように音を決めました。セカンドバイオリンとチェロはつぎのようにして音を決めています。

メロディ譜の15小節目のはじめまりはCコードです。Cコードの構成音は「ドミソ」ですので、アレンジ譜にも「ド」「ミ」「ソ」を使うのは無難です。 「ド」「ミ」「ソ」から、セカンドバイオリンとチェロの音を選ぶとなると何か良いでしょうか。知っておくと良いのは、第5音(この場合は「ソ」)は省略できる音だということです。それで根音の「ド」はチェロに、第3音の「ミ」はセカンドバイオリンとしました。

アレンジ譜の15小節目のチェロを見てください。「ドソドド」としています。クラシックでは4拍子の曲は、1拍目と3拍目が強拍、そして2拍目と4拍目は弱拍です。強拍には根音(この場合「ド」)を持ってくると良いでしょう。そして弱拍に、第5音(この場合、「ソ」)を選ぶのは自然です。

さて、話を先に進めてみます。

アレンジ譜の15小節目と45小節目を見てください。これはメロディ譜の歌の1番がはじまるところと、繰り返して2番がはじまるところです。1番(アレンジ譜の15小節目から)はチェロは4分音符でどっしりした広がりを作りましたが、 2番(アレンジ譜の45小節目から)はチェロに8分音符を交えて軽快さを加えています。このようにリズムパターンを変えてみるのも、曲の盛り上がりを作っていくのに効果的です。

図2cw320

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リズムパターンをもう少し見てみたいと思います。

アレンジ譜の23小節目と24小節目は、25小節目からの盛り上がりに向けて準備をしている箇所です。それまでのチェロの4分音符の動きからリズムパターンを変えています。

それともうひとつ、アレンジ譜の34小節目を見てください。

図3bw320

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MISIAさんの歌の「You’re eve-ry- | -thing You’re eve-ry- 」のところです。メロディ譜にはCコードと書かれています。この小節からメロディーを受け持つファーストバイオリンが「ドシドソー」とやった時に、その「ソ」のタイミングで(つまり拍頭で)、セカンドバイオリンとビオラ、チェロがCコードの構成音を鳴らすアレンジも考えられますが、ここではあえてそうしないで拍頭に八分休符を入れました。それから弦楽器のきざみを生かした伴奏でさびを盛り上げています。34小節目までの伴奏は拍頭に音を入れてきましたが、34小節目はそれをはずして心地よい解放感を作りたいと考えた箇所です。

間奏のあとに、アレンジ譜の68小節目からチェロがメロディをとっています。これで各楽器/パートの出番がつくれました。

メロディ譜では、ハ長調から曲の終わりにかけて半音あげて変二長調に転調しています。変二長調はフラット5つです。もしかしたら演奏が難しいかもしれませんので、アレンジ譜では演奏のしやすさを優先して、全音あげて二長調に転調することにしました。二長調はシャープ2つですので、弦楽器では演奏しやすい調かと思います。

アレンジ譜の76小節目から少し先を見てください。ファーストバイオリンが、76小節目のアウフタクトから、レド#レ「ラ」ーレド#レ「ラ」ーレド#レ「シ」ーと、「ラ」「ラ」「シ」と歌いますが、それに対して、チェロが「レ」「ド」「シ」「ラ」と反行(一方が上昇、他方が下降)しています。この反行の動きは対位法的で旋律がそれぞれが独立しているように聞こえ、これは印象ですが広がりとそれによる喜びのような感じが受け取れます。

図4w320

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図5w320

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最後にこの小節の各楽器/パートの音の選び方ですが、メロディ譜のコードを参考にする方法をご紹介します。

メロディ譜の転調したすぐ後の小節をご覧になってください。転調で半音あげて、Db、Ab onCです。アレンジ譜では転調で全音あげていますから、アレンジ譜の76小節目はD、A onC#とします。(転調して半音あげてDbなので、全音あげればD。)

76小節目の青は、「Vn1:Vn2:Vla:Vc=ラ:ファ#:ラ:レ」としていますが、これはDコードの構成音です。同様に76小節目の緑は、「Vn1:Vn2:Vla:Vc=ラ:ミ:ラ:ド#」。これはA on C#の構成音です。コードの構成音を割り当てていることがわかります。

その先も、上述の方法でメロディ譜のコードを参考にしてアレンジ譜のコードを決めて、その構成音を割り当てています。

「Vn1:Vn2:Vla:Vc=ラ:レ:ファ#:シ」。これはBm7の構成音。 「Vn1:Vn2:Vla:Vc=ラ:ド#:ファ#:ラ」。これはF# onAの構成音。そして、 「Vn1:Vn2:Vla:Vc=シ:レ:ソ:ソ」。これはGの構成音。

ここまでいかがでしたか。「アレンジする際にどんなことを考えているか」や、「アレンジする際の音の選び方」を例をあげてお話しました。

事務局:
ありがとうございます。こうして持麾(もつざい)さんからお聞きしたことをノートに書いてみたのですが、ここでの考え方は他の曲をアレンジする際にも役立ちそうです。

持麾(もつざい)さん:
そう言ってもらえると嬉しいです。特にメロディ譜はコードが書かれているので、アレンジする際には心づよいです。メロディ譜を使って、いろいろやってみると良いと思います。

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オケ専♪ではメロディ譜をたくさん取り扱っていますので、きっとお気に入りの曲が見つかると思います。メロディ譜を使ってアンサンブルの楽譜づくりに挑戦してみてください。

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持麾勉さんのご紹介

作曲家。JASRAC会員。
1999年東京音楽大学作曲専攻卒業。2001年東京音楽大学大学院作曲専攻修了。有馬礼子、北爪道夫の各氏に師事。主な作品は合唱曲、ピアノ曲ほか室内楽、吹奏楽、管弦楽曲等。2004~6年青年海外協力隊隊員として、南米のパラグアイ共和国に派遣される。現地の青少年オーケストラを指揮指導し、演奏発表等を行う。帰国後インターナショナルスクールで管弦楽曲のアレンジャーとして活躍。

メロディ譜を使ってアンサンブルの楽譜を作る本講座

オケ専♪で取り扱っているメロディ譜を使ってアンサンブルの楽譜を作る本講座を計画しています。お題の曲を決めて実際にアレンジをやってみる講座です。先生はこのミニ講座でお話をお聞かせ頂いている持麾勉(もつざいつとむ)さんです。楽譜作成ソフトをはじめて使う方には、ご希望があれば無料で使える楽譜作成ソフトMuseScoreの簡単な使い方を事務局がガイドします。本講座とガイドは有料です。ご興味ある方はお問合せください。また希望の曲がありましたらお問合せの際にお知らせください。曲・開催日・場所・参加費など詳細が決まりましたらご案内します。

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この企画は株式会社フジパシフィックミュージックさんが楽曲の著作権を管理するメロディ譜を使い、アレンジ譜の作成&講座をしています。

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