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心に届く音楽心理講座

効率的な練習には「メタ認知」が大事

「事を習得するには1日3時間を10年間続ける必要がある」と言ったのは1万時間の法則で有名なエリクソン博士。その後マルコム・グラッドウェルの『天才!成功する人々の法則』がベストセラーになったことでさらに広まった。いろいろなところでこの「1万時間の法則」にお目にかかることが多いのは、「確かに人前で恥ずかしくない演奏をするには10年はかかるかな」という共通の納得があるからだろう。一方で、「たいていのことは20時間で習得できる」と言ったのはジョシュ・カウフマン。「たいていのこと」というのは、1万時間の法則で扱っているようなプロレベルの技術ではなく、いわゆる“そこそこの”目標レベルにおいてである。カウフマンの著書の中では本人が掲げた目標レベルには達しており、20時間という時間も本当であった。

ここで考えてみたいのは、プロレベルに達する人がこなしていた1万時間とたった20時間で習得するためのスキルで共通している部分である。誰でも1万時間こなせば、漏れなくプロになれるわけではないし、むしろ何年も練習していればスランプにだって陥るものだ。それでも、練習した分だけしっかりと上達し、時には短い練習で効果を劇的に上げられる人は何が違うのだろうか。
それは、「メタ認知」と「フロー状態」である。「メタ認知」とは「認知していることを認知する。つまり、自分を第三者として客観的に捉えることができる能力のこと。もう一つの「フロー状態」とは我を忘れて物事に没頭し、極度の集中した精神状態のことをいう。スポーツや音楽演奏の研究では必ず出てくるキーワードで、知っている人も多いと思う。一見すると、自分を客観視できるメタ認知と、我を忘れてしまうほど没頭しているフロー状態は相反すると考えてしまうが、物事を短時間で効果的に習得するにはいずれのスキルも大切になってくる。

 

score


音楽演奏において「メタ認知」とは、どういうことだろう。演奏をしている人なら誰でも経験があるのが「反復練習」である。何度も何度も同じパッセージを体に覚え込ませるように弾きこんでいく。筋肉が記憶するためには極めて大切な練習である。しかし、この「反復練習のみ」で時間を費やしてしまうことが意外と多いのではないだろうか。練習を効果的に行うには自分の演奏を「メタ認知」するスキルが必要だ。どうしても弾けないところを何度も何度も弾いても、弾けないものは弾けない。ショパンの三度のエチュードなんて、時間さえかければ誰でも弾けるというものではない。なぜ、三度を一定の速度で弾けないのか、指が思うように動かないのか、手首がすぐに痛くなってしまうのか。
こういった問題を、客観的にモニタリングして、どうしたらこれらの問題を解決できるのかを徹底的に考え抜き、実践していくことが大事となる。指の形はどうすれば理にかなっているだろう、手首の高さはどうしたら良いだろう、苦手な指だけで練習してみようか、など冷静に「しなければいけないこと」を見つけられれば技術の習得は早くなる。どうやっても弾けなかった箇所が、師匠の一言でウソのように弾けるようになったことがある人は多いだろう。あれはまさに先生がメタ認知の代わりをしてくれていたということになる。その視点を自分で少しでも持つことができれば、ひたすら時間だけをこなしていた練習よりもはるかに短時間で済む。社会人になるとプロでもない限り、なかなかたっぷりと練習時間を取るのは難しいだろう。このメタ認知的な視点を持ち、限られた時間を有効に使いたいものだ。

もう一つのキーワードである「フロー状態」はアメリカの心理学者ミハイ・チクセントミハイが提唱した状態である。チクセントミハイはフロー状態に入る条件として、

1.時間の経過と共に自分が何をしたいのか分かってる
2.ただちにフィードバックが得られる
3.何をする必要があるか分かっている
4.それが難しくても可能なことである
5.時間の感覚が消失する

ということをあげている。

極度に集中してはいるが、決して緊張することなく、逆にリラックスしている状態がフロー状態である。メタ認知ができると、自分を客観的に見ることができるので、無駄な緊張感からは解放される。そして、どうすればうまく行くかが「見える」ので、冷静にそれに集中することができ、さらに時間を意識せずにリラックスした状態を作ることができる。「メタ認知」と「フロー状態」は決して相反する状態ではなく、自分を客観的に捉え、何をするかが理解でき、そしてリラックスして集中するための同じ通り道なのだ。

プロレベルに到達するには1万時間、そこそこの目標には20時間。いずれにしても、限られた時間を効果的に練習し、その成果を出すためには「メタ認知」と「フロー状態」のキーワードを意識して練習に取り組むことが大切である。
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