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心に届く音楽心理講座

好きな音楽を聴いて感情の変化を味わう

前回の続きです。
走ることで快感ホルモンが分泌されるメカニズにについて解説してきました。
私たちの脳はまだ狩猟時代にセットされています。走ると気持ちよく感じるという事実がそれを物語っています。これだけ文明が発達して、うかうかするとほとんど自分の力で移動しなくても生活ができてしまう時代なのにも関わらず、走るとやっぱり気持いいい。これは、今まで生き残ってきた私たちのすばらしい能力だと思います。
普段走っている人が若々しく感じるのは単に体力の問題だけではありません。走ることによって快感ホルモンが分泌され、疲れやストレスを軽減し、脳は活性化されて気持ちよさや楽しさを充分に感じながら新しい知恵やアイデアが湧いているからなのです。走ることによって、かえって仕事にエネルギーが湧いたり芸術活動に没頭したり、人生を明るく感じられたりするのは、実践している人なら誰でも感じていることです。
音楽も同じだといえます。

最新の実験でも、好きな音楽を聴くとβエンドルフィンやドーパミンなどの快感ホルモンが分泌されることが分かっています。そうでなければ、目に見えない空気の振動である音楽なんて聴く人もいなくなるでしょう。

歴史的事実をみても、音楽は人類の進化において絶対に欠かすことができない重要な位置づけをされていました。
ダーウィンの進化論から言える求愛の合図や、集団の結束力を高める手段。最近では性と音楽を関連づけて、テストステロンというホルモンから社会に適応するために音楽が存在するという最新の研究結果もあります。

いずれにしても、音楽は歴史上切っても切れない非常に重要な価値観があり、それが人類の進化に必要不可欠なものだったということは間違いありません。
現在は音楽と感情の研究はホルモンによって科学的に検証できるようになりました。その結果、生存に欠かせない食事や睡眠と同じくらい重要な存在だと位置づけることができるようになっています。

食べることと音楽を聴くこと、演奏することがある意味イコールであるということは衝撃かもしれません。
おいしいそうな霜降りの高級焼き肉を食べたときのあの幸せな感覚と好きな音楽を聴いたときの感覚は同じ。脳では同じことが起こっているのです。
食べ物ならなんでも同じかと言われればそうではありませんよね。嫌いな食べ物を無理やり食べているときには快感ホルモンなんて出ているはずがありません。

音楽も同じで、いくら音楽の力がすばらしいといってもすべての音楽が誰にでも同じように作用するわけではありません。
誰にでも同じような変化をもたらす音楽というのは難しいですが、前向きな効果を得たいのであれば「好きな音楽」をキーワードに選んでみましょう。その中で、音楽が持っている基本的な影響によって様々な感情の変化を味わうことができるでしょう。