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音楽の森

日下紗矢子 ヴァイオリンリサイタル(2月7日(土) 14:00開演/相模原市)

ドイツと日本で活躍する才媛が響きのよいホールで味わい深い曲を披露


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日下紗矢子 ベルリンと東京。世界の音楽シーンの中でも特に重要な2つの都市で活動するヴァイオリニスト、日下紗矢子。彼女の活躍ぶりは高い注目を集めている。


ベルリン、東京でコンマスの重責


念のために略歴を紹介すると、兵庫県生まれ、東京藝術大学を卒業後、米国とドイツに留学した。在学中から様々なコンクールに入賞を果たし、オーケストラとの共演やリサイタルデビューも行っている。
2008年にベルリンの主要オーケストラの一つ、ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団の第1コンサートマスターに就任。翌年にはこのオーケストラの精鋭で構成されるベルリン・コンツェルトハウス室内管弦楽団のリーダーに就任した。
さらには2013年、東京の代表的オーケストラの一つである読売日本交響楽団のコンサートマスターに就任。現在は、ドイツと日本の両拠点を基盤として活躍している。2か月に一度は日本に帰ってくるというからその忙しさはかなりなものだ。

読売日本交響楽団のコンサートマスターに就任した日下紗矢子 (C)Kiyoaki Sasahara
(C)Kiyoaki Sasahara



オーケストラで仕事をするということだけでも大変なのに、コンサートマスターという重責を果たさなければならない。しかも環境、文化、言葉が違う日本とドイツでリーダーシップを発揮していくというのは並大抵のことではないだろう。そして、そうした多忙の中でもソロ・リサイタルを行うということは彼女の音楽が求められている証なのである。
コンサートマスターとソリスト、2つの顔の違いはどのようなものなのだろうか。
「オーケストラでは指揮者の意見を尊重しながらオーケストラの全員とコンタクトをとり、同じ方向性を持って演奏することを心がけます。ソロの場合は自分の目指す音楽性、個性を存分に打ち出していきやすいと思います」
また、コンサートマスターとしてオーケストラを率いることで、ソロの演奏にも大きく反映している部分があるという。
「音楽への理解が以前よりも深まりました。オーケストラのレパートリーは膨大で、毎週違う曲を演奏します。ヴァイオリン作品を残さなかった作曲家もいて、オーケストラでなければ出会う機会がないこともあります。そのような作品を知ることでそれぞれの時代背景を理解していく。これは音楽家としてかけがえのない財産だと思います。そして、仲間と音楽を演奏するという意識や楽しさを開眼させてもらったのも、今の自分の活動に大きな影響を与えていると思います」
ベルリンのオーケストラでコンマスを務めるほどの技量とリーダーシップを兼ね備え、さらに音楽的な進化を求め続ける日下の姿勢と活動からは、今後も目が離せなそうだ。

 

新たな発見をさせてくれる曲目


日下紗矢子 ヴァイオリンリサイタル ポスター



今回のプログラムを見ると、ドイツのバロックからロマン派へと音楽の時間旅行をするような流れを感じさせる作曲家が並んでいる。必ずしも有名な曲ではないけれども、味わい深く、よく考えられた選曲だ。

1曲目のモーツァルトの「ヴァイオリン・ソナタ ハ長調K.303」は10分ほどの短い曲ではあるが、モーツァルトが本格的なヴァイオリン・ソナタを書くようになった一連の作品の中の1曲で、大胆な工夫がなされている。
2曲目に置かれたピゼンデルはバッハと同時代に活躍した作曲家。当時、ヨーロッパで随一の水準を誇っていたドレスデン宮廷楽団のコンサートマスター、楽師長をつとめた。残された作品数こそ多くはないのだが、後世に影響を与える質の高い作品が多い。
古典、バロックと辿った後は、ロマン派へと時代を進める。「ドヴォルザークの4つのロマンティックな小品Op.75」は、当時ドヴォルザークの住居に下宿していた、音楽専攻ではない学生とそのヴァイオリンの先生(歌劇場の団員)、そしてヴィオリストによってドヴォルザーク自身のために書かれた弦楽三重奏曲が基になっている。ドヴォルザークはこの曲をとても気に入り、すぐにヴァイオリンとピアノ版に編曲したのである。
10代の頃から傑作を生み出してきたメンデルスゾーンのヴァイオリン曲といえば、ヴァイオリン協奏曲ホ短調があまりにも有名だが、ヴァイオリン・ソナタも残している。今回演奏されるのは30歳を目前にした時期の、メンデルスゾーンらしいメロディーがちりばめられた明るい雰囲気の佳曲だ。
コンサート最後を飾るのはシューベルトの華麗なるロンド。わずか31歳という短い生涯で厖大な曲を生み出した。言うまでもなく歌曲がメインのジャンルだが、交響曲、弦楽四重奏曲、ピアノ・ソナタ、とベートーヴェン同様に器楽の分野にも重要な作品を残した。本格的な協奏曲は書いていないが、ヴァイオリンとオーケストラのための作品を残している。ヴァイオリンとピアノのための作品は数曲あり、華麗なるロンドは没する2年ほど前に書かれた。

日下自身は「その時々に興味がある曲を取り上げている」というが、時代的に偏りのないプログラムを心がけている。聴く人にとって楽しいだろう、という想いからだ。
今回も幅広い時代からの選曲だが、底に流れるコンセプトは「浪漫」だという。今回の演奏会場にはベーゼンドルファーのピアノが装備されている。ロマン派音楽を再現するのにぴったりのピアノを相手に、名器プレッセンダを手にして、落ち着きのある充実した演奏を聴かせてくれるだろう。
 

優れた録音に数多く使われるホール


神奈川県立相模湖交流センターのホール
今回の演奏会ホール。ピアノはベーゼンドルファー製。


 
ところで、今回演奏されるホールはあまりなじみのない場所かもしれない。実は、音響のよさと、こだわりの公演プログラムでクラシックファンの間では密かに注目を集めつつあるホールなのである。
神奈川県の水源地である相模湖は、風光明媚な観光地としてレジャー客を中心に人気のスポットだ。湖の畔に立地する神奈川県立相模湖交流センターは、そもそも「水源地域の自然の保全及び活性化を図り、県民に水源地域の自然とのふれあい及び多様な交流活動の場を提供する」ために建てられたものだ。よって、同センターのホールも「多目的ホール」という極めて簡素なネーミングになっているのだが、ここの音響が非常によいことに気がついたのが、プロの演奏家たちなのである。

神奈川県立相模湖交流センター・外観
相模湖畔の神奈川県立相模湖交流センター。
最寄りの相模湖駅へは東京、新宿からの直通列車もある。



同センターの秋山道夫館長は「一度このホールで演奏すると、たくさんのプロ演奏家が『またここで演奏したい!』と仰います。」と話す。演奏家が気持ちよく楽器を奏でられ、また演奏したくなるホールというのは、とても貴重な存在なのだ。このホールはステージ、客席が自由にレイアウトできるので、録音エンジニアにとっても使い勝手がよい。演奏家、エンジニア双方が気持ちよく仕事ができれば結果は自ずと良質のものになるだろう。事実、ここで録音されたCDは専門誌でも高い評価を受けている。一度体感するとリピーターになる、というのも頷ける話だ。

すでにプロ演奏家や音楽制作関係者には評判となっている同ホールは、録音も含めて高い稼働率を誇っているが、その裏には独自の企画があることも見逃せない。
コンサートホールの主催公演では、完成した企画をそのまま導入することも多いが、ここでは秋山館長を中心とした専任スタッフが催事ごとに吟味を重ね、「本物だけを提供する」ことを心がけているという。こうした独自企画では立案から準備、本番を迎えるまでに様々な業務があり膨大な作業量となるが、月間2回以上の公演開催を確保しているそうだ。

神奈川県立相模湖交流センターの秋山道夫館長
同センターの秋山道夫館長。
「ホールのよさをプロも認めるからには、質の高い公演をどんどん企画していきたい」と語る。


 

本物の音楽を楽しむ絶好の環境


神奈川県立相模湖交流センター内にある、湖面を見下ろすカフェ。
湖面を見下ろすカフェ。店内はゆったりとした時間が流れる。



さて、この神奈川県立相模湖交流センターは、演奏を楽しむための館内や周辺環境も抜群である。開放感のあるカフェでは、湖面を見下ろしながら、ゆったりとしたひとときを過ごすことができる。併設するギャラリーでは様々な企画を催しており、人気を集めている。実はこのギャラリーも響きがよく、こじんまりとした編成にはぴったりのホールとしても使うことができるのだ。
このような空間が新宿から1時間程度で行けることは意外に知られていない。
また、隣町の藤野は木工アートを中心にした芸術家の街、として有名である。都内からの常連客も多い人気のレストランや、居心地のよいコテージなど、音楽を嗜好する人々が楽しめるスポットがたくさんある。「本物の音楽にふれるには絶好の環境です。素晴らしい演奏と、その余韻を楽しんでください。皆さまそれぞれ、充実した時間を過ごしていただけると思います。」(秋山館長)ひとたび足を運べば、ファンになること請け合いである。

神奈川県立相模湖交流センター周辺は本物の音楽にふれるには絶好の環境


 
≪コンサート情報≫

日下紗矢子 ヴァイオリンリサイタル


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ピアノ 日下知奈

【日時】2015年2月7日(土曜日) 開場13:30/開演14:00
【場所】神奈川県立相模湖交流センター(神奈川県相模原市 )交通・アクセス
【入場券】一般4,000円 シニア・友の会3,600円 学生2,000円
【チケット取扱】神奈川県立相模湖交流センター窓口の他、電話042-682-6121で承ります。
※チケット代金のお支払いは窓口のほか、郵便振替をご利用いただけます。
【演奏曲目】モーツァルト/ヴァイオリンソナタ ハ長調K.303 ピゼンデル/無伴奏ヴァイオリン・ソナタ イ短調 ドヴォルザーク/4つのロマンティックな小品Op.75 メンデルスゾーン/ヴァイオリン・ソナタ へ長調 シューベルト/華麗なるロンド ロ短調Op.70,D895
【ご予約・お問合せ】神奈川県立相模湖交流センター 電話042-682-6121
受付時間/9:00~21:30 ※月曜休館(月曜が祝日の場合翌日)
http://www.sagamiko-kouryu.jp/event/
【主催】神奈川県立相模湖交流センター(指定管理者 アクティオ株式会社)
【後援】相模湖観光協会 藤野観光協会 寿会 根本芸能企画 根本信平
【協力】日本コロムビア株式会社